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介護士が足りない!の意味

介護士が足りないというのは虚構である。介護士を今のままの待遇で探そうとしているから足りないということにすぎない。

介護士が足りないというのは、介護士の待遇を今のままにしようとするから人が集まらないだけのことである。介護士を医師並の待遇にすれば、応募者が殺到するだろう。足りないはずがないのである。

介護士を医師並の社会的地位と待遇にすれば、介護士になりたい人は介護学校にあふれるだろう。介護士のなり手が足りないどころか、介護士の志望者が増加し、医学部のようにものすごい競争倍率になるだろう。医者と同じく、よほどの競争をくぐりぬけなければ、介護士になれなくなる。

介護士が足りない!という主張に接したら、介護士の地位向上を同時に主張しているかどうかをよく確かめてみることが重要である。

介護士が足りない!と声高に叫ぶ一方で、介護士の地位向上は強調しなかったり、あるいは触れなかったり、さらには介護士の地位向上を否定しているのではないだろうか?

介護士の地位向上を否定しておいて、介護士が足りない!と危機感をあおっても説得力がない。介護士が足りない!というのであれば、同時に介護士の地位向上を主張すべきであろう。それが介護士不足、介護士離れを防止する最も効果のあることだからである。

待遇が確保されれば介護士になりたい人はたくさんいる。医師と同じく責任の重い仕事だが、やりがいを感じる人も多いだろう。待遇を医師並に上げれば介護士が足りないはずがないのである。

昔、技術者が足りない!というキャンペーンがあった。それと同じことである。技術者を医師並の待遇にすれば、応募者が殺到するだろう。技術者が足りないはずがないのである。

技術者が足りない!という主張を見たら、自分の頭でよく考えることが必要である。技術者が足りない!という主張が何を意味しているのかを検討するのである。

多くの場合、技術者の地位、待遇は低く保ったまま技術者を確保したいが、技術者が足りない!ので技術者よどこからか現れよという主張だと分かるだろう。

技術者が足りない!と言っている人が、同時に技術者の地位向上を主張しているかどうかを見極めることが重要である。もしそうなら、技術者が足りない!ので技術者の地位を高くせよ、という主張だと分かるだろう。

介護企業と介護士の地位向上

介護士の地位向上には、介護企業の地位向上が必要だろう。

一見すると、介護士の待遇が低ければ介護士がやめていくので、介護士の待遇は上がるように思われる。しかし、介護士がやめていったために介護士の地位が極めて高くなったという話はあまり聞かない。

介護士がやめていけば、介護士の待遇が上がるというのは、介護企業の地位が介護士の待遇を高くできる程度に高いということが前提になる。

介護企業に利益の出る構造がなく、介護企業の地位が非常に低ければ、介護士がやめていっても、介護企業は介護士の待遇を上げることができない。ない袖は触れないからである。

逆に、人手不足により、夜勤等が多くなり、待遇はますます低下するということも起こりうるだろう。

介護士が未来をもてませんというCMが流れていたが、すばらしい試みと思う。問題があればできる限り多くの人に伝えた方がよいだろう。できる限り多くの人の関心を集め、みんなで議論をしていくことが、良い解決につながっていくだろう。だまって耐えている人が多いのだろうが、それは日本のためにはならないのではないだろうか。

このような関係は、他の理系企業と他の理系従業員の間にも多かれ少なかれあるのではないだろうか。介護企業を含め、理系企業の地位向上が望まれる。
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